2022年2月7日(月)映画音楽「DUNE」2

映画のサントラも出ているのだけれど、ハンス・ジマーはDUNE「スケッチブック」と題して2枚組のアルバムを出しています。。

そうだ、ゴールデングローブ賞(第79回 映画DUNE作曲賞)受賞、おめでとうございます。嬉しいな!

スケッチブックの方を聴くと、サントラは極めて映画用で必要なところだけのダイジェストだとわかります。スケッチブックの方が、イマジネーションを突き詰めていった感じがよくわかって、こちらを聴かないとちょっと勿体ないかな、という印象。

これは映画用というよりは、この仕事を請けたとき作曲家にとってこの長さが必要で、その長さで作ってみることが必要な作業だったんじゃないかなぁ、ということも私には勝手ながら想像されました…。今回の映画を初回観た感想が「音楽が凄かった」であり、映画の内容よりもそんな印象だったことはそれまで無かったので、そのこと自体にも驚いたのですが、使われていたのは、じつにその一部だった。ハンス・ジマーが、DUNEの世界を語ろうと思った時のイマジネーションの展開が、拡がりが、この「スケッチブック」を聴くとしっかりと感じられます。

そして「人々が聴いたことのない、別の惑星の音楽を目指してるんだ」(ご本人談)、みたいなのを何かで読んだ気がしますけれども、よくよく聴いてみると世界民族音楽大全からの引用、みたいなところも感じられるのです。

オーケストレーションと、混声合唱と、シンセサイザーやら機械的な音やら、エレクトリックギターやら。

それに民族音楽あり、お経やケチャみたいなのや、想像の言語や、つまり現代の私たちが聴いているものが混沌ながら全部ある、と言ったらいいのか。なんて言ったらいいのか。DUNEという文学を発展させて映像化・音楽化したときに、このように見事に融合される、というのが楽しくて。

イマジネーションを追っていくことの楽しさ、素晴らしさ。

みんなで作ったんだろうな、その現場の楽しさったら! 想像しただけでも楽しい。あれやらこれやら試してみて、選択したり、して決めていったこともあるんだろうな。至近距離で、試作も全部聴いてみたかったな!

この楽しさは、ヴィラ・ロボスに共通する楽しさだ。こういう楽しさには、もう中に入ってしまってぐるぐる、洗濯機のようにかき回されて翻弄されて楽しむに限る。

音楽のある世界、ヒトとして生まれた歓びだ。