2014年8月16日(金)

「音楽家が社会的な話題あるいは政治的な話題を、(歌詞や音で)音楽にのせるべきじゃないでしょう。それは言ってみれば、ゴミみたいなもんだから」 という人がいました。それから、実際に行動するべきではないでしょう、という人もいる。逆に、当然、行動すべきでしょう、という人もいる。

もちろん、いろいろな考えがあります。ジャンル、みたいなものもある。
フォークソングってそういうものに近いのかな。労働歌、みたいなものもあるんでしょう。

私たちの世代では、どうなんだろう…と思っていたら、
島根で活躍中の浜田真理子さんというシンガーソングライターさんは、原発の問題について勉強会を行っていると新聞で知った。この人のファーストアルバムを、何度も何度も聴いたものです。
いまはそんなことやってるのか…えらいな。

昔小さい頃、「戦争を知らない子供たち」という歌があったようで、私もずいぶん学校でこの曲を歌わされた気がするけど、じつはすごく違和感があったものだ。意味がわからない、と。

若いころは自分のことしか関心がなかったようでも、いいかげんいい年になってきて、社会的な問題を自分の問題と受け止めることができるようになってきた昨今、こんなことを考え続けてしまう。

ナラ・レオンは、途中から完全に社会派になった。ヴィニシウスは(官僚のせいか? なんてね)そんな歌詞は一切見当たらない。
カエターノもジルも、エドゥも、ジョアンボスコもジョイスも、社会的なことはずっと歌って来ているような気がする。
ジョビンは何よりも痛切に感じていた環境問題みたいなことをたくさん歌にしている・・・。でも形は、完全に音楽に昇華されているような…。
ドナートとジョアンは、そういうことは歌わない。

また、UAという日本のシンガーソングライターは、子供を産んでから一挙に曲が暗くなった時期があるそうだ。子供を産んでみると、真剣に将来に対し希望が持てなくなった、ということです。

あれこれ考えて、翻って じゃあ私は、そういったことをテーマに曲を作ってみることができるというのだろうか。 私が日常考えていることを?
こんなに強く感じていることを?

それほど器用じゃない、音楽は、私などから出てくるとき・・・音楽は・・・。
難しいな。悶々。