中原仁さんの講演を拝聴した。
テーマは
「ブラジルの音楽家達は独裁社会の中、どのように活動してきたか」
なかなかおもしろかった。
歌詞を中心に、映像も交えながらのお話でした。
え、あの曲も? と思うほどたくさんの曲がダブルミーニング
しかも、あまりにも検閲がひどくて、
ミルトン・ナシメントはついに、歌詞をすべてなくし スキャットで
歌うことにした・・・という曲まであったらしい。
タイトルをみると、人の名前が四人ほど書いてあったりする。
その曲が、軍事政権下 政治的な発言をした人に対する
迫害や拘留のあった時代に書かれた、と判れば、その意味は明白だ。
スキャット は、ミルトンが多用していますが、
ひとつには そういう背景もあって生まれたのかも・・・。
カエターノ と ジル は国外追放でロンドンに滞在。
これは知っていましたけれど
シコ・ブアルキ についての見方もずいぶんと変わった。
行動はしないインテリかと思っていたのですが・・・全然違ったみたい。
それで危険が迫って、自主的にイタリア亡命。
その頃、ジョビンはどこに居たのかな。
アメリカでたくさんアルバムを作っていた頃かもしれない。
ドナートはキューバ かな。
もっとも彼らの音楽には
社会批判は入れられない(見たことはない)・・・。
ブラジルのことは、知ればしるほどわからなくなる、と
ずいぶん前にそう思ったが、昨日も思った次第。
まぁ物事、そういうものですよね。
海外に行って、「日本のことを話して」と言われた時、
いったい自分の知っている日本の、何を どのくらい
伝えられるというのでしょうか・・・。
(けど、それであきらめたら交流は深まらないし!)